私はあまりお酒は好きではないのですが、ホット・バタード・ラムという温かいカクテルだけは好きで、冬になるとたまにそのカクテルが飲みたくなります。 そのカクテルを二十年前に初めて私に教えてくれたのは、学生時代にバーテンのアルバイトをしていた経験のある事務機の会社の新入社員さんでした。 知り合いの知り合いというだけだったのに、子供たちが彼になついたこともあったせいか、たまに思い出したように連絡を取り合い、きょうまで縁が続いているのです。 「友達と、次に会う約束をするのが苦手なんです。どんなに長い間会わないでいても、次に会ったらまるで昨日別れたばかりみたいに話ができるのが本当の友達だと思うから….」 そんなことをよく言っていました。 その彼とは、とくに友達という関係ではなかったのですが、まさにその言葉の通り、一、ニ年に一度くらいの割合で電話があり、一昨年は息子の仏前に手を合わせに来てくれましたが、その前に会ったのは5年以上前のことではなかったかと思います。 一昨年会ったとき、「あの頃は私も若かった。毎日充実してた。でも戻りたいとは思わない。今は今なりに幸せだから」そんなことを私が言ったら、「俺も本当にそう思うんです」と言ってました。 先日また久しぶりに電話が来たのですが、仕事や子供のことなどの近況報告を聞いていたら、彼の住む北国の風景と、なぜかホット・バタード・ラムが頭に浮かんできました。 たった一杯のカクテルから始まった縁ですが、二十年を過ぎてこの先どこまで続いていくのかとても楽しみでもあります。
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スピリチュアルカウンセラー
光凛
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