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Coulyne

代表戸締り役

東京というところは、石を投げれば社長に当たるというくらい社長と呼ばれる人が多く存在するところだといわれています。 さらに、取締役まで入れたなら、かなりの数になるのではないかと思うのですが、じつは、この取締役という役職ほど訳のわからないものはなく、会社のために忠実にその職務を遂行する本当の取締役もいれば、節税対策のため、何もしないのに役員報酬だけもらつている取締役もいれば、能力もないのに経営に口を出す、とり乱し役のような取締役もいるものです。 しかし、経費の使い道にうるさいあの税務署でさえ、出社の如何に関わらず取締役への役員報酬を経費で認めているのは、取締役たるもの会社に出社せずとも朝から晩まで会社のことを考えているはずという判断からなのです。 つまり役職についていなくても、朝から晩まで会社のことを考えている人がいたなら、それは立派に取締役の仕事をしているといえ、そういう人を積極的に取締役に登用する会社は大いに伸びるのではないかと思います。 取締役がいるのは、株式会社などの法人に限るのですが、会社を人と見なすことを法人というのだから、会社という人と取締役は、運命共同体ということになりますし、特に代表取締役ともなると、最期まで運命をともにする覚悟が必要です。 船の船長が、沈没する船から最後に降りるように、代表取締役も途中で逃げ出すことはできないものです。 そういう意味からすると、倒産の憂き目に遭った時にも最期まで居残る、つまりは、代表”戸締り役”のようだと思えるのです。 しかし、代表取締役つまり社長とは、割に合わない、代表戸締り役なのだと自覚している社長は、果たして何割くらいいるのでしょうか。

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