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悲しい誕生日

Coulyne

昨日は息子の、生きていれば34歳の誕生日でした。 今年のケーキは家で作ったのですが、苺がどこのスーパーにもなく、スポンジは焼けているので意地になって探し、四件めのお店でやっと調達できました。 ついこの間まで、どっさり並んで売られていたような気がしていたのですが、気がつけば確かに苺がいつの間にか消えて、替わりに可愛らしいさくらんぼが並んでいるのです。 その様子は、息子が消えて、孫が現れたときと同じようです。 早いもので、この夏で三年になりますが、ちょっとした仕草や笑い声など、今でも脳裏から離れません。 夕暮れどきが寂しくて仕方ないのは昔からですが、息子を亡くしてからはさらに寂しいものになりました。 黄昏どき、見知らぬ路地裏のアパートの窓に灯りがつくのを見て、あの部屋に仕事から帰った息子がゲームでもしていてくれたら、たとえ逢うことは叶わなくても、どんなにいいだろうと思いながら歩く私がいます。

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