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Coulyne

塞翁が馬

 五月なのに、すでに梅雨に入ったそうです。こんなに毎日雨が続くと洗濯物が乾かず、元気いっぱいのお子さんがいたり、ご家族の多いお宅の主婦は、さぞかし頭が痛いことでしょう。 興味深い話なのですが、吉幾三さんが作って歌い大ヒットした曲に 「 雪国 」 という曲があります。吉さんは東北出身の方なので、生まれ育った田舎の冬の風景をイメージして作られたのかと思っていたのですが、実際はそうではなく、貧乏生活をしていたアパートの部屋に、子供さんの白いオムツがたくさん干してあるのを見ながら作った曲なのだと、以前ご本人がテレビでおっしゃっていました。私はそれを聞いてがっかりするどころか、かなり納得しました。 妻子を抱えつつ、明日の見えない生活が続き、泣きたくなる夜を味わっていたのはご本人ではなかったかと思うのです。今では押しも押されぬ大スターですが、もし吉さんのお宅に乾燥機があったら、あるいはお子さんが紙オムツだったらあの名曲は生まれなかったということになるのです。 人の人生において、何が幸せで不幸せになるか、まったく予想もつかないことを「 人間万事、塞翁が馬 」 と言います。 一般的に不幸だと思える状況が人を幸せにしたり、便利で豊かだと思える環境が人を幸せに導く保証など何もないということを、大昔の人はすでにわかっていたのだと思います。

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